キリマンジャロは世界的に有名な山の名前だと思っていたらタンザニアにキリマンジャロという州があった。
日本でいう富士市(静岡県)とかと同じと思えばそりゃそうだなと納得。
そして確かアフリカなのに氷河がある、これは学生の頃に学んだ記憶の断片。
今あらためて考えてみると不思議で魅力的な場所なんじゃなかろうか。
そんな山の麓、麓とはいっても標高2000くらいの高地で栽培される豆、それがキリマンジャロ。
よく「キリマン」と呼ばれている有名なコーヒー豆だ。
琥珀さんでもモカと並んでよく出る豆とのこと。店主に「モカ好きだけど、キリマンは平気ですかね?」と尋ねたら「多分大丈夫」と答えをもらったので買ってみた。
定かではないが、たぶん今回「初キリマンジャロ」。有名な豆なのになぜか今まで飲んだことがない。
淹れてみると不味くはないがモカに比べるとあっさりしすぎな印象。
「悪くないけどもう買わないかな」
初回のドリップであまり好みでないなと感じたせいで2回目のドリップはかなりアバンギャルドなものになった(笑)
なのに、そうしたら美味しく淹れられてしまった。なんで?
思い当たる節は最初のお湯を注いだ後、宅急便が来て1分以上放置したこと。
セオリー的には蒸らし時間が長すぎると不味くなる。
「やっちまったな。ならいっそのこと、いつもと違う淹れ方にしよう」とお湯の注ぎ方をゆっくりにした。
どれくらいゆっくりかというと、コーヒーが落ちる速さと同じ速さを意識。
いつもなら最後はドリッパーの上の方までお湯がくるんだけど、今回はドリッパーの真ん中くらいをキープして淹れ続けた。
見た感じアクが浮いていないように見えて正直気持ち悪い(笑)
最後もドリッパーに残っているお湯の量が少ないから雑味が落ちてしまったような気がする…期待は薄い。
やはりどんな社会でも「掟破り」を待つのは重い刑罰なのか・・・
そう思って飲んでみたら前より好みの味になっていて驚いた。あれーーーー?
浅煎りらしくクリアなのに酸味も甘味もコクも出た気がする。
浅煎りってゆっくり落とさない方がいいって聞いたことあるんだけどな……
予想外の結果になった2回目を踏まえて3回目にチャレンジした。
意識して
・豆を細かめに挽き、
・蒸らす時間をいつもより多くとり、
・お湯をゆっくりずっと注ぎ続けた。
お湯の温度はいつもと同じ。だいたい91−93度くらい。
いつもより細かめに挽くと軽やかな香りが上がる。
深煎りのような、味まで想像できる濃厚な香りではなく軽く鼻の奥を刺激する浅煎りらしい爽やかな感じ。でもドリップ中はモカのような華やかなさはなく控えめで地味な香り。
前回と同じくそんなに期待は高まらない。
だがしかし、飲んでみると程よい酸味がありながらコクもあった。初回ドリップ時は「あっさりしすぎ」だったけど、今回は一杯飲んだあとの満足度は高い。
個人的に酸味の強いコーヒーは苦手だが、この酸味は尖ってなくて優しくてアリかも。
今回、味が変わった1番の理由は「時間」とみた(そもそも宅急便屋さんのお陰)。
知らず知らず身についたやり方で淹れているけれど、こういう発見があると今まで気にしていなかったコーヒーの奥行きを感じる。
「日常の一杯」のためのドリップなのに、それがいろんなことに繋がって面白さが広がる。そして繋がりが繋がりを呼び、ずっと先々まで飽きることなく興味が広がっていく気がして嬉しい。
我ながら良い趣味なんじゃないか?自画自賛(^^)