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リカレント生活ふりかえり④ 授業の感想

今回は履修科目の内容についてです。

幼少期からこのかた紛うことなきエンドユーザー。図書館司書に対するイメージは「貸出でバーコートをピッとして、返却された本を番号通りに棚に戻す人」でした(苦笑)

そんな私が学び終えて「あぁ、こんな順番で受ければよかったなぁ」と思う順に授業の概要と感想をまとめます。

ちなみに実際の履修は
前期に11科目:図書館基礎特論(選択科目)、図書館概論、生涯学習論、図書館サービス概論、情報サービス論、図書館情報技術論、情報サービス演習1・2、情報資源組織演習1・2、図書・図書館史(選択科目)。
後期は4科目:情報資源組織論、図書館情報資源概論、児童サービス論、図書館制度・経営論
です。

*https://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/toushin/__icsFiles/afieldfile/2009/09/16/1243331_2.pdfより

 

1.まずは歴史と概要

そもそも図書館って何?どうやって今の図書館になった?というところは全てのレポートを書くにあたって重要なポイントでした。そういう意味で図書館概論、生涯学習論、図書・図書館史(選択科目)の3つはエントリー科目だったと思います。

■図書館概論
基本のキ。紀元前からの図書館の歴史、機能や社会的な存在意義、関連する法律などをマルっと学びます。無料の貸し本屋だと思っていたけどなんか違う(苦笑)

生涯学習
博物館や公民館など社会教育施設と呼ばれる施設の中での図書館と司書の位置付けと役割について学びます。司書ってそういう立ち位置なんだと初めて知る(また苦笑)

■図書・図書館史
それこそ紀元前、石板や甲骨の時代から現代に至るメディアの歴史。そして日本の図書館が開国、戦中、戦後とどのようにして今の形に至ったかを学びます。太古から現在への知の伝承に感動。何がどうなって今ここにあるのか、歴史を知るって大事ですね…歴史にまったく興味なかった学生時代を反省。

 

2.つぎは図書館のサービス内容について

図書館は読みたい本がいつでも読める場所という単純なものではなくもっと奥が深くて便利な場所らしいということに気がついた頃。図書館サービス概論、情報サービス論、児童サービス論、図書館情報技術論は「図書館で受けられるサービスって何?」がわかる科目でした。

■図書館サービス概論
図書館は公共図書館大学図書館学校図書館に大別されますが、ここでは特に公共図書館では多様な利用者(児童、高齢者、障害者、多文化など)を想定して広く準備するということを学びました。

■情報サービス論
紙(書籍)とネットの両方を使ってどのように情報を提供するかを学びます。裏付けのしっかりした質の高い情報を検索するのが司書の仕事だと学びました。

■児童サービス論
公共図書館の大きなボリューム層である児童向けのサービス。児童書の種類や特徴とその選び方、そしてデジタルネイティブ時代の児童の読書とはどういうものかなどを学びました。

■図書館情報技術論
インターネット技術に関する基礎的な知識、そして図書館システムにおいて技術がどう使われているのか、どうやったら有効活用できるのかを学びました。情報サービス論や児童サービス論と同時期に受けると双方の理解が深まる科目。

 

3.情報サービス実践のための演習

■情報サービス演習1・2(オンライン授業)
「〇〇について知りたい」という課題について主にネットを検索して答えていく演習でした。宿題として近所の図書館に行って紙の参考資料(辞書や百科事典)とネット情報を合わせて回答する課題もあり色々な図書館に行きました。
世界の図書館、日本の図書館のいろいろ。それから辞書や百科事典の種類の多さ、国立国会図書館の検索システム、新聞社の有料データベースなどなど初めて知ることばかり(笑)
学生目線でレファレンス協同DBを見ると質問にきっちり答える司書さんたちに脱帽です。

 

4.図書を仕分けして整理する演習

目録規則?日本十進分類法?件名標目表?なんじゃそりゃ??の状態で受け始めたら実は司書課程のでした。クラスには図書館勤務をしている人も多く、マジで最初のうちは置いてけぼり感が酷かったです。でもこの授業のおかげで図書館の使い方がメチャクチャ上手になりました(^^)

■情報資源組織演習1(オンライン授業)
ある図書がどんなテーマで書かれているかを考え、分類記号や件名を付与する演習でした。いわゆる本を棚に並べる準備と蔵書検索システム用のデータ作成です。

■情報資源組織演習2(オンライン授業)
こちらはテーマではなく、図書の題名や著者など固定的な情報を規則に従ってピックアップして目録を作る演習でした。こちらも要するに蔵書検索システム用のデータ作成です。
今の蔵書検索はオンラインですが、私が学生のころは小さな引き出しがズラッと並んでいて、その中にびっしり入っているカードを司書さんが白い手袋して探していた記憶があります。あれが目録だったのね。昔はあの姿に憧れたなぁ(笑)

 

5.司書課程の肝、情報資源組織を体系的にみる

図書館の蔵書やその他全てを総じて情報資源と呼びます。それを仕分けして探しやすくするための整理術を情報資源組織といいます。

■情報資源組織論
シラバスでは情報資源組織演習1・2の前の受講を推奨していますが、実際に演習を体験してから体系を学んだら頭の整理になりました。「習うより慣れろ」からの「ああ、そういうことね」です(笑)
とにかく肝中の肝。世の中がコンピュータ化されるずっと以前から培われてきた整理術は今でも世界の図書館共通でした。

■図書館情報資源概論
コレクション構築 =図書館が集める情報には何があるのか(本と雑誌だけじゃない‥)を知り、それぞれの館の立地や利用者層に合わせた選択収集の計画と実施= を学びます。よく見ると図書館によって蔵書傾向って全然違うんだなと気がつきました。

 

6.最後に広い視点から図書館という施設をみる

■図書館制度・経営論
法制度や政策、施設の運営について学びました。理念、法律、自治体、社会状況などをひっくるめて図書館はどういう施設であるべきなのかを考える科目だったので後半に受けた方が良いレポートが書けるんじゃないかと思います。

■図書館基礎特論(選択科目)
著作権法と公立図書館の関係について学びました。図書館に関係する法律は図書館法以外にもたくさんありますが著作権法は特に大物です。「図書館とはなんぞや」という全体像を持った上で臨まないとレポートの落とし所がトンチンカンになります。
私は愚かにも一番最初にこの科目を取りました。今、あのレポートを読み返すと恥ずかしさしかない。よくあれで単位が貰えたものです(脂汗)

 

以上、15科目の感想でした。やっている時は大変だったけど、振り返ると満足だし図書館をすごく利用できるようになった気がします。

 

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asakirin.hatenablog.com